釧路に生まれたバナナの楽園ー946BANANAー

 

バナナが鈴なりに実っている光景には北海道人ならずとも驚きます。

ハウスに入ると、そこはまるで「熱帯植物園」のようで、中は17~25度に保たれ、しばらくいるとじわっと汗ばむほど。高さ3mほどのバナナの株(バナナは草なので実態は「茎」です)約900本が並ぶハウス内を歩いていると、ここが釧路であることを忘れてしまいそうです。

株の根元に生えた茎を順々に育てていけば1年中バナナが実ります。

1株には180~200本のバナナの実が育ち、収穫するとその株は切り倒します。しかし根元にはタケノコのようにさらに5~6本の株が生えていて、次の株を選んでバナナを育てるので、バナナは年間通して収穫が可能なのだとか。

それにしてもどうして釧路でバナナが育つのか? 今回、「946BANANA」を生産する946FARMSの菊池利治代表にお話を聞いてきました。

「釧路の子どもたちにバナナの育つところを見てほしい」と946FARMSの菊池利治代表

「そもそもは酪農事業で自給飼料の増産を考えている時に、画期的な生産技術に出会ったのがきっかけです。この農法は植物が本来持っている性質を高める力があり、耐寒性に優れ、また希少な品種を生育させるのに向いているので、それならバナナがピッタリだと取り組んだんです。2019年から農薬や化学肥料を使わずに生育を始めたのですが、1年信じて育ててきたら今までに食べたことがなかった美味しいバナナが実りました」

実は今、私たちが食べているバナナのほとんどは「キャベンディッシュ」というたった1種類の品種だと聞いて驚きました。そのため、ひとたび病気が発生すると一気に拡がってしまい、全滅の危機にさらされているのは知る人ぞ知る事実。さらに新型コロナウィルスが世界の生産地を襲い、値段も高騰しています。「946BANANA」は、それ以前に主流だった「グロスミッシェル」という品種で、この復活した希少種は「未来のバナナ」とも期待されています。

とはいえ、年間通してハウス内の温度をキープしたり、虫取りなどもすべて手作業で丁寧に行っているため、売価は1本1000円とかなりお高め。それでも採算はギリギリだそう。

「でも、釧路でバナナを作ることは話題性もあるし、北海道の新しい特産として情報発信していくことでこの農法を広めたいんです。どなたか一緒にやろうという方がいれば協力は惜しみませんよ」。

市内では釧路空港売店など数カ所で販売を開始しています。

ふつうよりひと回りサイズが大きく、1本づつ袋に入れて丁寧に販売されています。

「バナナは5度以下では風邪をひいて黒くなってしまうので、道内での流通は3月末からとなりましたが、すでに帯広や札幌のほか、東京有楽町での販売では2日で160本もお買い上げいただきました。また、お待たせしておりました、ECサイトでお買い上げいただいた方々への出荷も本格化して参りました」

食べてみると甘味がある割にくどくなく(糖度は個体差によるものの、普通のバナナの1.5倍ほどとか)、粘り気があり、香りが強いのが特徴。また皮が薄く、農薬不使用栽培なので皮自体も食べられるうえ、大きな葉は青汁やサプリなどにも利用できるので、バナナ関連商品の開発も研究中だそうです。

農場の見学希望も多いため、近く一般公開できるスペースも計画しており、「子どもたちに見てもらって、何事も不可能なことはないということを知ってほしい」と菊池代表。「釧路」ならぬ「946」ブランドが全国に広がる「夢の商品」に育つのが楽しみです。  reported by curvy

946FARMS株式会社

釧路市新野189-4

TEL:0154-57-6946

MAIL:info@946farms.co.jp

最新の取り扱い店舗は、同社HPまたはインスタなどからお問い合わせください。

https://www.946banana.jp/

インスタ:946banana Instagram

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